家の鬼門、都市の鬼門
代表の伊藤です。今回はよく聞く鬼門という言葉について調べてみました。表鬼門とか、裏鬼門とかいいますよね。アレについての豆知識です。
といっても、住宅の鬼門については、今回は省略します。よく水場を置くと良くないとか、玄関はダメとか言いますよね。ご紹介するのは、もう少しロングショットのお話。
家相術には「吉方軸」と「凶方軸」がたすき掛けにある
家の相も同じですが、建物の中心から角々を結んで北東~南西が鬼門軸。北西~南東が吉方軸と言われます。こちらの京都御所でいう右上が鬼門、左下が裏鬼門となります。
江戸城の場合は、本丸を中心に表鬼門の方角にあるのが神田明神、奥に行けば浅草寺。裏鬼門にあるのが赤坂日枝神社です。お城になると鬼門は出隅凹に仕上げ、裏鬼門は角を取るように仕上げるようです。
良い気は南東から入ってきます。このイラストでいう大手門(東京駅側)ですね。そしてその良い気を中に留めるように、また全身で受けるように、北西には櫓を組んだりします。江戸城でいうと天守閣がその役割を担ってます。
今でも吉方位に東京駅があります。ここから良い気があつまり、それを受け止める位置に天皇陛下がいらっしゃる皇居がありますね。なかなか理にかなった形だと思います。
鬼門には猿を祀る
そして、鬼門には猿がつきものです。なぜだか鬼は猿を嫌うと言われてます。これは昔話の桃太郎でもでてきます。鬼退治に猿を連れていきますよね。これはおとぎ話だけに限った話ではなく、現在の建築にも現れてます。
京都御所の表鬼門には猿ヶ辻があります。Google Mapsで見てもらうとよく分かると思いますが、先程ご紹介した出隅凹処理が御所でもなされてます。ここに祀られてるのが猿なんですね。
そしてこの凶方軸をずっと伸ばした先にあるのが幸神社(サイノカミヤシロ)。ここも猿が祀られてます。
幸神社から軸を伸ばしたら有名な赤山禅院。があります。こちらの守り神も猿です。このお寺がある場所が京都盆地の最北東端部。京都市内の鬼門の端となります。なので赤山禅院は京都市全体を守ってると言って過言ではないですね。
この凶方軸はまだ伸びます。ずずっと滋賀まで伸ばせば、比叡山延暦寺。そしてその北東には日吉大社があります。ここもまた猿が守り神として祀られています。
ここにいくと、お猿さんだらけです。特に山王信仰3800社の総本山ということもあり、荘厳な雰囲気です。山門の屋根を神猿が支えていたり、お神輿にも神猿が掘られています。
地図でいうと、こんな具合です。幸神社→赤山禅院→比叡山→日吉大社が一直線上に並んでいるのがわかると思います。こういう具合に、迷信ではあるんですが、京都という街が鬼から守られてるってことです。
まとめ
表鬼門、裏鬼門。実際のところは迷信です。僕は占いをほとんど信じていないので、あまり家相については気にしてないですね。だけども歴史的にも街の中に、この構図が溢れてます。鬼門は家だけでなく、都市計画、都市構造にも見られるわけです。これは面白いなと思います。みなさんが住んでいる街でも、きっと似た構図が見つけられると思います。探してみてはどうでしょう。