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ポリティカル・コレクトネスについて考える。

どうも代表の伊藤でございます。今回のブログでは、アメリカのBLM運動に関連する話を少し紹介したいと思います。

 

というのは、僕が趣味でいつも見ているアメリカン・フットボール。NFLのワシントン・レッドスキンズが名称を変更することになったようです。詳しくは僕が個人で書いてるブログ記事を読んでみてください。

 

レッドスキンズは90年間使ってきたチーム名とロゴ・マークを変更することを、正式に発表しました。こちらがTwitterで、2020年7月13日にリリースされた声明文です。

 

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さて、この結果の発端となったのがBLM運動(Black Lives Matter=黒人差別をなくす)だと思うのですが、名称を変更しろという世論は以前からあったのです。

 

僕も詳しく知らなかったのですが、こういうのをポリティカル・コレクトネス(略してPC=ポリコレ)と呼ぶそうです。今回はそのポリコレについて、少し調べてみました。

 

PC=ポリティカル・コレクトネスとは?

日本語で直訳すると、ポリティカル(Plitical = 政治的)・コレクトネス(Correctness = 正しさ)となります。これはちょっと正しくない。

 

ポリコレとは要するに、差別的な言葉を無くしていこうという考え方です。「社会的、政治的に公正・公平・中立的で、かつ偏見が含まれてない言葉や用語を使うようにしましょう。」これがポリティカル・コレクトネスの意味です。

 

海外で起こるポリコレの歴史

これが始まったのが人種のるつぼと言われるアメリカ合衆国。時代は1980年代と言われてます。アメリカにはご存知のように移民の国です。ルーツも様々ですし、宗教も様々、そんな人が集まってるわけです。

 

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しかし、そんなアメリカを長い期間統治してきたのは、アングロ・サクソン系の白人です。属に言うWASP(White Anglo-Saxon Protestant)たちが、政治や世界の中心にいて、国のグランドデザインを作っていました。

 

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1950年代後半に、アメリカでは公民権運動が始まるまで、黒人は完全に差別されていました。同じバスに乗れない、同じレストランで食事できない、同じ学校に通えない、同じ職業につけない。まるでインドのカースト制度のようなことが日常にあったわけです。

 

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当時のアメリカでも映画スターは全部白人、ドラマに出る人はみな白人、ファッションモデルもみな白人、学校のスターも白人と、はっきりとしてました。

 

こうした偏見による政治を改革しようという自浄作用こそが、ポリティカル・コレクトネスの根っこにあります。ですので、これは左派的であり、民主党的であり、リベラル的な発想に相似しているのです。

 

アメリカである事例を紹介

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こうして、様々な言葉が、ポリコレ警察によって取り締まりを受けることになります。そして、今まで使ってた言葉がどんどん変わっていきます。

 

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最たるものは、これでしょうか。インディアンがネイティブ・アメリカンと言われ、黒人を指す「Black」は、アフリカン・アメリカンなどと呼び名が変わるようになります。

 

意味 過去 現在
要注意人物 Black list Banned
議長 Chair man Chair person
警察官 Police man Police officer
消防官 Fire man Fire fighter
写真家 Camera man Photographer
重要人物 key man key person

他にも使われなくなった言葉としては、未婚ならMiss、既婚ならMrs.でしたが、既婚未婚を問わないMsということばを使うことが一般的になりましたね。

 

日本でもあるポリコレ事例

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アメリカから始まったポリコレの動きは、世界中にひろまり、日本でも同じように討論されるようになります。日本で特に加熱化したのが、1989年あたりだそうです。

その結果、看護婦→看護師のように変わった言葉がたくさん生まれています。

過去 現在
スチュワーデス 客室乗務員
保母さん 保育士
助産婦 助産師
看護婦 看護師
痴呆症 認知症
肌色 うすだいだい

これが代表的なものでしょうか。他にも伝染病→感染症など、呼び名が変わっているものがあります。

 

意味 過去
先住民 土人
黒人 クロンボ
盲人 メクラ
身体障害者 カタワ
独身男性 チョンガ

これら、差別的言葉として使用禁止になってます。過去使ってたとは、ちょっとビックリするような感じがします。

ポリコレ加熱が起こす 弊害

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これはアメリカでのポリコレ風刺画です。イスラム過激派を特徴的に書いても良いが、ユダヤ人を描いてはならぬ。というような、ちょっと納得し難いポリコレ警察(いわゆる世論)が、過剰に働いてる傾向があるようです。

 

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ミスコンテストも、美を競わせるなんて、女性蔑視だという意見もあります。同調できる部分もありますが、僕は女性らしさ、男性らしさについて互いに尊重し合う関係が理想的だと思うのです。

 

こうした「~~らしさ」こそが、アイデンティティにつながると思うんですが、あまりに行き過ぎたポリコレでは、そうした特異性をも無くしていく方向に加熱するのでないかと懸念しています。

まとめ

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「偏見をもたず、素直な心で、正しく判断を下す。」ポリコレの基本理念については、完全に同意します。しかし、まるでアレルギー反応のように、「それは差別だ!!」と過敏になり、言葉を使うことが窮屈になってはいけません。

 

このポリコレの本質を掴まないまま、日々のニュースと対峙していくと、一切の区別を無くしていくことが正義のようにも見えます。しかしこれは、ある種、共産主義的な哲学にも近づいていくような気がして、僕は怖いようにも思います。

 

21世紀は、資本主義の次にくる新しいイデオロギーの時代になると思います。今は葛藤の時期なのかも知れないです。ただただ反応するばかりでなく、松下幸之助さんが言った「素直な心」で、しっかり歴史と事実と世界と向き合い、考えたいところです。


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